第9回名古屋大学ホームカミングデイ / NAGOYA UNIVERSITY HOMECOMINGDAY 2013 ガイドブックダウンロード(PDF形式/7.81MB) ENGLISH DOWNLOAD(PDF/0.55MB)

行事一覧:同窓会企画行事/一般市民向け行事

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環境医学研究所

環境医学研究所市民公開講座2013「環境・遺伝子の変異・疾患」
時間 13:00〜16:30
場所

野依記念学術交流館2階 カンファレンスホール

E31

内容 13:00〜13:05

開会の辞

澤田 誠(環境医学研究所所長)

13:05〜14:05

「皮膚がんとの臨床と発症のメカニズム」


錦織 千佳子

錦織 千佳子(神戸大学大学院 皮膚科学分野教授)
 がんは色々な遺伝子の傷が積み重なって生じますが、皮膚がんは体の最も外側に有り、環境の影響を受けやすいので、紫外線、ヒ素、ウイルスなど様々な要因で皮膚がんが生じます。そのなかでも、太陽紫外線は皮膚がんの原因として重要です。また、癌になりやすい病気、あるいは、癌にかかりやすい素因があることもわかってきました。本公開講座では、さまざまな皮膚がんの臨床的な特徴とその発症機序をお話ししたいと思います。高齢化に伴い、日常診療においても露光部の皮膚癌が著明に増加しています。皮膚がんは小さいうちに見つける事ができますので、早く見つけて適切な治療を行なう事が重要です。

14:05〜14:25

「損傷が修復されるまで待つ?乗り越える?」


益谷 央豪

益谷 央豪(環境医学研究所 ゲノム動態制御分野教授)
 私たちの体は、ひとつの細胞から増殖した約60兆個の細胞で出来ています。細胞が増殖する際には、全遺伝情報、即ち、ゲノムDNAが複製されます。細胞は、膨大なゲノムDNAを正確にコピーする複製装置を備えています。ところが、DNA損傷があると、この複製装置は止まってしまいます。さて、どうしましょう?私たちは、高発癌性遺伝疾患の基礎研究から、損傷を修復する機構だけではなく、損傷を乗り越えて複製する機構も発癌の防御に寄与していることを明らかにしてきました。当研究所における研究の一端を紹介します。

14:25〜14:40 休憩

14:40〜15:20

「環境と発がん:DNAの傷に対する防御と癒し」


能美 健彦

能美 健彦(独立行政法人医薬基盤研究所 創薬支援戦略室コーディネーター)
 一般に、DNAはアデニン、グアニン、シトシン、チミンという4つの塩基からできていると言われます。しかし、実際のヒトのDNAの中には、酸化された塩基や化学物質が結合した塩基など、さまざまな「傷」が含まれます。こうしたDNA中の傷は、突然変異や染色体異常の原因となり、さらに発がんの原因となります。DNAに傷を付ける環境因子は、環境変異原と呼ばれます。今回の市民公開講座では、環境変異原からヒトのDNAを防御する行政の仕組みとそこで利用される変異原性試験、そしてヒトの体が持っているDNAの傷を癒す仕組みについて講演します。

15:20〜16:00

「紫外線とその防護に関する意識調査と効果的な紫外線教育について」


伊吹 裕子

伊吹 裕子(静岡県立大学環境科学研究所 光環境生命科学研究室 准教授)
 ここ数年、紫外線防護に対する意識が急速に高まっています。紫外線の人体への影響が明らかとなったことに加え、オゾン層破壊に対する懸念等から、メディア等で取り上げられる機会も増えています。これまでに我々は、静岡県内小学生の保護者および大学生への紫外線とその防護に関する意識調査を行ってきました。その結果、保護者の紫外線に対する知識がそのまま子供の紫外線防護に反映する等、興味深いデータが得られています。ここでは、それらの結果をお示しするとともに、紫外線に関する教育の取り組みをご紹介したいと思います。

16:00〜16:30 パネルディスカッション