市民公開講座等 (14)
教育学部?教育発達科学研究科 公開講演:学校の日常を「見える化」するー部活動改革から働き方改革までー
内田良氏(教育発達科学研究科准教授)からの話題提供をとおして,部活動の過重負担や教員の長時間労働など,学校におけるリスクについて議論をする。
法学部?法学研究科 講演会「明治150年:日本民法典の軌跡と、現在」
講演テーマ: 明治150年:日本民法典の軌跡と、現在
講師: 加藤雅信 名古屋大学名誉教授、名古屋学院大学教授、弁護士
概要: 講演のテーマは、「明治150年:日本民法典の軌跡と、現在」である。明治民法の施行から現在まで120年しかたっていないのに、なぜ「明治150年」なのか、不思議に思われる方もおられるであろう。ただ、明治元年からの十数年間で、明治政府は、徳川幕府の「田畑永代売買禁止令」を廃止し、徳川幕府の主食作物以外の一定のものの栽培禁止令に対して「田畑勝手作」を発布、重畳的所有権を廃止し、「近代的所有権」を確立した。また、戦後の家制度の廃止についても、日本側「起草委員の独自の発案」という我妻発言があり、現在の学界にも影響を与えているが、これは占領政策の日本の「悪法の廃止」方針に端を発し、マッカーサー三原則のうちの「封建制度の廃止」原則にのっとったうえでの「家制度の廃止」であったという歴史的事実を覆い隠している。今回の講演は、この150年間民法の歴史のなかで、世に知られていなかった事実に焦点をあてるものである。
理学部?理学研究科 :理学部講演会「放射光X線で見る光合成?光化学系Ⅱの化学構造」
「放射光X線で見る光合成?光化学系IIの化学構造」
講演者:神谷 信夫 氏(大阪市立大学)
理学部?理学研究科:小林 誠特別教授 プリンキピア特別講演会 「素粒子研究の系譜」
原子核?素粒子物理学は1930年前後に誕生した。ちょうどそのころ、ヨーロッパから帰国した仁科芳雄は、理研に仁科研究室を開いた。
仁科は日本初のサイクロトロンを建設するなど日本におけるこの分野の研究の基礎を築いた。そして、仁科の教えを受けた、湯川、朝永、坂田らにより日本における素粒子研究は大きく開花した。
講演では、素粒子研究の歴史を概観しつつ、これらの先人たちの業績を振り返る。
医学部?医学系研究科 市民公開講演会「全身に悪さをします!歯と口の不健康」
「全身に悪さをします!歯と口の不健康」という講演名で市民公開講演会を実施する。
講師:日比英晴氏 (医学系研究科 顎顔面外科学教授)
医学部保健学科市民公開講座「暮らしと健康を守る最新検査法ー研究者に会いに行こうー」
事前申込み必要第1講 10:00~10:30 「からだに侵入した殺虫剤のモニタリング技術」
(講師:名古屋大学大学院医学系研究科 病態解析学講座?准教授 上山純)
【内容】私の研究室では、日常的に使用している殺虫剤(農薬を含む)がわたしたちの健康に影響しているかどうかを評価するための手法を開発しています。本講座では、わたしたちの研究の一つである「使用済みオムツを用いた高感度殺虫剤曝露マーカー測定法の開発」を例に、研究開発の一連の流れ(発案、開発、実践応用等)をわかりやすく紹介します。
第2講 10:30~11:00 「大幸キャンパスで最近発見した新規静脈血栓症リスクとその検査法」
(講師:名古屋大学大学院医学系研究科 病態解析学講座?客員研究者 高木明)
【内容】止血のために血液は凝固しますが、血管内では凝固しないようにコントロールされています。私たちは血栓症を発症してしまった患者さんがどうしてうまくコントロールできなかったのかを追求し、これまで知られていなかった血栓症リスクを発見。その検査法を開発しました。それらの経緯をご紹介いたします。
第3講 11:00~11:30 「肺癌のバイオマーカー検査の進歩と個別化治療」
(講師:名古屋大学大学院医学系研究科 病態解析学講座?教授 佐藤光夫)
【内容】私の研究室は肺癌の新たな創薬開発につながるような治療標的の発見を目指しています。肺癌は、これまでの基礎的研究の臨床応用によりバイオマーカー検査に基づいた個別化治療が最も進んでいる癌の一つです。本講座では、肺癌の個別化治療の現状と今後の展望をご紹介いたします。
展示 11:30~12:20 「顕微鏡で臓器を見てみよう。研究について尋ねてみよう。」
工学部?工学研究科:高翔会公開講演会「JAXA角田における将来に向けたロケットエンジン研究の紹介」
【講演概要】近年、Space XのFalcon 9の成功を受けて、世界の宇宙輸送への取り組みが変化している。日本でも、これまで進めてきた再使用輸送系に向けた研究開発の変化や、民間ベンチャーの参入を促す政策の変化などがみられる。その様な環境の中、JAXA角田宇宙センターでは、保有する試験設備群を活かして、近い将来を見据えたロケットエンジンの研究開発を進めている。再使用ロケットエンジンの研究や、民間ベンチャー企業参入を技術で支えるための研究について紹介する。
【講師】冨田健夫氏
(宇宙航空研究開発機構 研究開発部門 第四研究ユニット研究領域主幹)
工学部?工学研究科 市民公開講座:「プラズマが拓く未来社会」
プラズマは,核融合,半導体製造,環境,医療,農業に至るまで応用されており,人類が直面する地球規模の課題を解決するとともに,新たな未来を創造する最先端科学技術である。名古屋大学では,世界最高峰のプラズマ研究を推進している。本講座では,プラズマ科学の魅力と共にプラズマが拓く未来社会を紹介する。
国際開発研究科 公開講座「『LGBT』から見る東南アジアの国家と市民社会」
「LGBT」と総称される性的マイノリティの生活や権利が守られている程度は、国や社会によって異なります。興味深いことに、民主制よりも一党独裁制や軍政の方が、彼ら/彼女の権利擁護に積極的なことさえあります。なぜ、諸国家は性的マイノリティに異なる対応をするのでしょうか。フィリピン(日下渉、名古屋大学)、マレーシア(伊賀司、京都大学)、ベトナム(小田なら、京都大学)が現地の状況を紹介しつつ、この問題を解説します。
多元数理科学研究科:「宇宙から見守る地球の環境」
昭和44年(1969年)にアポロ計画により人類が月に到着したが、この年に宇宙開発事業団(NASDA)が設立され、日本の宇宙開発が本格的に始まった。NASDAのロケット、衛星の開発?打上げを紹介するとともに、国際宇宙ステーション計画や宇宙飛行士の活動を紹介し、長年携わってきた地球観測衛星の紹介及び気候変動や災害等の地球規模の環境に関する課題に貢献する地球観測衛星の利用について紹介する。
環境学研究科 公開講演会:「俳句を通じて地球環境を考える」
演題:「俳句を通じて地球環境を考える」
松尾芭蕉や夏目漱石などが詠んだ俳句を題材に、想像力を膨らませながら、地球環境問題や災害について考えます。
講師:岡本耕平(環境学研究科長)
環境医学研究所 市民公開講座 「遺伝子研究最前線ー希少?難治性疾患との戦いー」
最新の遺伝子研究を軸に、希少?難治性疾患克服に向けた取り組みについて、診断/治療/予防など様々な角度からお話し頂きます。
講師
片峰 茂氏(長崎大学前学長)
浦野 健氏(島根大学教授)
中田 慎一郎氏 (大阪大学教授)
荻 朋男氏 (名古屋大学教授)
◆「プリオン研究における分子生物学のインパクト」
片峰 茂 (かたみね しげる) 長崎大学前学長
ヒトのクロイツフェルト?ヤコブ病や動物の狂牛病など異常型プリオンタンパク質 (PrP)の蓄積が原因で発症する一連の脳変性疾患をプリオン病と総称する。異常構造のタンパク質の蓄積が原因となる点では、タウ蛋白によるアルツハイマー病やαシヌクレイン蓄積が原因のパーキンソン病と同じ発症メカニズムであるが、プリオン病が他と区別されるのは、感染症としての性格を明確に有することである。プリオン病は、食や接触を介して他の個体に伝播し、その感染性は病変脳組織を実験動物の脳内に接種することで再現できる。問題は、感染する病原体の本体である。ウイルスや細菌など既知の病原体とは全く異なる性状を有するため本体は長年不明で"非通常病原体"と称されたが、1982年米国のS.プリシナーは「病原体は脳組織に蓄積するタンパク質 (PrP)そのものである」とする衝撃的な"タンパク質単独仮説"を発表し、その病原体をプリオンと命名した。「増殖の本態は核酸の増殖である」とするそれまでのセントラルドグマに反するこの仮説は、当初学界から相手にされることはなかったが、その後正当性を支持する研究成果が蓄積し、遂に1998年プルシナーにノーベル医学生理学賞が授与されるに至った。講演では、この過程で決定的役割を果たした遺伝子レベルでのアプローチについて紹介するとともに、最近のプリオン研究の進展についても言及する。
◆「膵がん撲滅プロジェクト」
浦野 健 (うらの たけし) 島根大学医学部医学科生化学講座 (病態生化学分野) 教授
膵がんプロジェクトセンターセンター長
膵がんって、聞いたことありますか?
患者さんの経過が極めて悪いので有名ながんです。島根県の膵がん患者さんの数は全国平均よりやや多いです。そこで島根大学戦略的研究推進センターの一つである、我々が率いる膵がんプロジェクトセンターでは、膵がんに対する低侵襲的な新規治療法や早期診断法の開発を進めています。プロジェクトセンターの現状や地域の高校生と一緒に行っている研究についてわかりやすくご紹介します。
◆「正確に遺伝子修正する方法の開発をめざして」
中田 慎一郎 (なかだ しんいちろう) 大阪大学高等共創研究院 教授
変異した遺伝子配列を書き換えて遺伝性疾患を治療する。かつては「夢の治療法」でした。2012年にCRISPR/Casシステムが発見され、ゲノム編集技術は急激に発展?普及し、ゲノム編集による遺伝子治療がいよいよ現実的になってきました。
現在普及しているゲノム編集では、DNA2本鎖を1度切断し、この切断を修復するときに配列を書き換える、という手法が取られています。残念ながら、設計通りにゲノムが書き換えられるよりも切断部位に変異が発生する頻度の方が高く、臨床応用を考えると、まだ十分に安全な技術とは言えません。
「どうにかしてもっと安全な遺伝子修正方法を開発できないか。」世界中で多くの研究者がこの難題に取り組んでいます。本講座では、講演者の研究室で開発した、安全な遺伝子治療に向けた技術改良についてお話しします。
◆「希少難治性疾患の病因究明と病態解析」
荻 朋男 (おぎ ともお) 名古屋大学環境医学研究所 教授
現在の医療技術でも治療が困難な病気は数多く存在します。これらの治療法を開発するためには、まずその病気をよく理解する必要があります。私たちは、様々な病気に共通する特徴をとらえ、原因を探ることで、病気が発症する仕組みを理解したいと考えています。
たとえば「がん」は、遺伝情報にエラーが蓄積し、細胞が異常に増殖することで発症します。遺伝情報のエラーは年をとるごとに増えてゆくので、がんの発症は若年では少なく、高齢者で多くなります。ところが、非常にまれに若年でがんを発症する遺伝性の病気がいくつか知られています。これらの病気に共通する特徴を調べることで、がんの発症に関係する遺伝子やその機能を知ることができます。
私たちが研究している希少疾患の患者数は人口数十万人に1名と極めて少ないですが、このような希少な病気を理解することは、がんのような一般的な病気の治療法開発にもつながります。
環境医学研究所市民公開講座プログラム.pdf |
未来材料?システム研究所:天野 浩教授 特別講演「10年後の未来から、今できることを考える」
事前申込み必要10年後、私達日本人は確実に高齢化し、人口は減少します。10年後の未来に向けて、持続可能で、かつより快適な社会を構築するために、大学の研究者が企業の方々や国の研究開発法人の方々と一緒に行っている国のプロジェクトおよびコンソーシアムの活動を中心に紹介します。青色LEDの時は、大学で結晶を作る技術ができてからLED照明の市場が1兆円を超えるまで30年かかりました。今はそのような時間的余裕はありません。青色LEDで30年かかったことを10年以内に実現するために何をすべきか、皆様と議論します。質疑応答の時間を十分とりますので、日ごろの疑問や思っていることなど是非この機会にぶつけてください。
未来材料?システム研究所 / 工学研究科
市民公開講座:「電気をためる」が世界を変える
電力インフラやモビリティ―への、電池やキャパシタの導入に向けた取り組みが、本格化しています。
本公開講座では、蓄電装置やその利用技術に取り組んでいる専門家をお招きし、一般の方々を対象に蓄電技術の概要と動向についてご紹介いただきます。
講演① | 「電力システムにおける蓄電装置の役割と今後の展望」 |
杉本 重幸(名古屋大学 教授)
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講演② | 「サステナブルモビリティ実現のための革新型蓄電池への期待」 |
射場 英紀(トヨタ自動車株式会社)
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講演終了後 | ディスカッション |
杉本 重幸(名古屋大学 教授)
射場 英紀(トヨタ自動車株式会社)