総長っていったい何をしているのか、疑問に思っている皆さんも大勢いるかと思います。ここでは、私が日々取り組んでいる仕事やその中で感じたことなどを、自由闊達に紹介していこうと思っています。
5月31日②
本日、午後にはモンゴル国立医療科学大学のダムジンドルジ学長、バトバータル副学長らの表敬訪問がありました。
ダムジンドルジ学長はこの1月から学長になられた若い方で、日本の自治医科大学で博士号を取られ、また博士研究員をされていた経験があるとのことでした。バトバータル副学長は前任の学長で、彼が学長の時代に名古屋大学とは医学系研究科を中心に連携が進みました。
医学からは医療行政に関わる大学院修士プログラムであるYLPの責任者である山本先生に、また発達障害児支援に関する調査?研究での連携がある永田副総長(心の発達支援研究実践センター)にも同席いただきました。
事前には知らされていなかったのですが、モンゴルでは新たに国立大学病院のシステムが構築されたとのことで、ダムジンドルジ学長からは、病院経営、医療経済などの分野でのアドバイスをもらいたいとのご発言があり、少し慌ててしまいました。今回は残念ながら病院の関係者が不在で鶴舞キャンパスには行っていただけなかったのですが、元病院長の松尾機構長に急遽来ていただいて、バトバータル副学長とは旧交をあたためていただくとともに、病院経営などについて引き続き話しができるように計らってもらいました。
5月31日①
本日は、名古屋市が本学の未来社会創造機構に新たに寄附研究部門として、「名古屋市量子産業創出寄附研究部門」を設置するということの協定締結式がありました。名古屋市からは、河村市長、中田副市長、吹上経済局長が出席されました。なお、中田さん、吹上さんのお二人は名大の卒業生です。
こちら河村市長のリーダーシップ、鶴の一声で、「今、時代は、量子だぎゃー」とは言わなかったと思いますが、とにかく河村市長のおかげで設置が決まったものです。年間4,000万円、3年間で1.2億円のご寄附は、名大としては大変ありがたい話です。ただ、河村市長、ご挨拶の中で名古屋市の予算3兆円、とおっしゃっていましたので、今回の1.2億円はそのわずか0.004%、さらなる支援を期待しています。
自治体がこのような寄附講座を設置するのは全国的にも珍しいことのようで、その意味でも大変注目され、また期待されていると思っています。是非ともこれを呼び水に、東海機構、そして名古屋大学としても量子拠点をさらに発展させていかなければなりません。
5月30日
本日は、午後に東京の文部科学省に行って、科学技術?学術審議会の下に設置されている人材委員会に出席してきました。前回、大雪の中開催された会です。
今回は国際戦略委員会と合同の会議で、委員だけで20数名の出席、文科省でも対応する課が違うということでダブルの出席で大変な会議でした。そもそも文科省の部屋に入り切れないので多くの委員はオンライン参加でした。オンラインで良いとは知らず、なぜか私は現地に行っての出席でした。会議の内容は、人材の流動性確保、国際頭脳巡回における課題などについてです。2時間の会議だったのですが、それぞれの委員が一人ずつ自由に発言する形だったので、議論はほとんど出来ずじまいでした。何しろ最初に主査からは一人1分30秒ということだったのに誰も守る人はいませんでしたから。ちなみに私からは、国際流動性に関する4つの論点を挙げさせていただきました。物価や給与などが日本は極めて低くなっていて海外からの雇用が難しいこと、短期でも良いので学生にはまずとにかく一度外国を経験させる必要があること、ポスドクや教員の雇用などについては日本はワールドマーケットに入っていないこと、経済安全保障の問題が頭脳循環を難しくしていることの4つです。2分ぐらいで話せていたでしょうか。
文科の方と話しもできましたし、現地まで行って良かったと思います。ただ最近、文科省へ入館するためのセキュリティがどんどんと厳しくなってきていて、行くのが憂鬱です。
5月29日②
午後からは名古屋駅に場所を移して、東海地域?国立大学連携プラットフォーム、通称C-FRONTの2回目の学長懇談会です。
メンバーの東海地域の国立大学の学長のうち、前回ご出席いただいた豊橋技術科学大学の寺島一彦学長が5月21日に逝去されたということで、黙祷から会はスタートしました。地域中核大学指定に向けて志なかばの逝去、ご冥福をお祈りします。
今回から信州大学が正規のメンバーとなり、合わせて会の名称を東海?信州 国立大学連携プラットフォームと変更、通称もC²-FRONTSとなりました。最後のSが信州です。
信州の加盟以外の今回のメインの話題は、タスクフォースを新たに立ち上げることでしょうか。本学からは、コンソーシアム方式による博士課程教育の共同実施、という提案をさせていただきました。本学を除くとどこの大学も博士後期課程の定員が少ないことから、スケールメリットを活かして一緒に学生を育ていきましょう、という提案になります。タスクフォースについては担当の副学長らによって検討が進められていく予定です。
学長懇談会の後は、名古屋駅近くで学長による会食をしました。学長さんたちの本音が聞けたとても良い会になりました。
5月29日①
本日は、新たに竣工されたTokai Open Innovation Complex、通称TOICの開所式がありました。このところ天気が悪い日が多いのですが、本日は快晴で何よりの開所日和でした。
コンプレックスというだけあって、東海国立大学機構の下、経産省の支援を受けて岐阜大学、名古屋大学の両方に、産学交流、起業支援、企業との共同研究などを実施することでイノベーションの拠点となる建物を建てて運用していくというものです。名古屋大学には、理学部のC館の向かい、生物機能開発利用研究センターの並びに新築されました。
今回、初めて建物に入ったのですが、一階はオープンスペースに大きなスクリーンが置かれ、その周りには天野さんの論文が手書き風に描かれています。一見手書きですが、あくまでアプリを使った手書き風書体だそうです。全体はNIC館にあるIdea Stoaを大きくしたようなイメージです。
そこで開所式を行ったのですが、経産省からは、産業技術環境局大学連携推進室川上室長、文科省からは科学技術?学術政策局産業連携?地域振興課池田課長らが出席、東海機構側からは、松尾機構長、吉田学長などが出席し、テープカットなど盛大に執り行いました。テープカットでは隣に並んだ池田課長と、左利きにとって右手でテープカットは辛い、という話題でプチ盛り上がりです。ハサミって本当に右利き用にできていて、左利きの人間は親指を引っ掛けて切る癖がついているので、右手ではうまく切れないのです。ちなみにこの一週間で3度目のテープカットでしたので、少しは慣れました。
開所式の後は中の見学をさせてもらいました。COI-NEXTの拠点が入るスペースや、共同研究のスペースなどが用意され、大学の新しいショーケースの誕生です。
5月24日
本日は、生命農学研究科、生物機能開発利用研究センターおよび農学国際教育研究センターの教員らが行なっている「WISH」プロジェクトについて、代表者の芦苅教授らから報告を受けました。
名古屋大学の生物センターと生命農学研究科で行われている研究の中でも、看板とも言われるのが、イネの遺伝子研究とイネの育種になります。イネのゲノム情報を読み込み、穂の数や背の高さなど様々な性質を司る部分を同定して、新たな品種改良へと繋げていきます。ここでのポイントは、原則ゲノム編集は行わず、遺伝子情報は使いつつもあくまで交配によって改良していく、というところです。これによって何処の国でもコメを提供できるわけです。
WISHプロジェクトでは、人口が爆発的に増加しているアフリカでのコメの安定供給を目指し、現地で食べられている品種の種子の数を増加させ、また病気や冷害などに強くすることを目指しているとのこと。現在はケニアを中心に活動されています。赤道付近のアフリカで冷害、というのはびっくりですが、ケニアの首都ナイロビの標高は1800mで、平均気温が10-28°℃と涼しい気温なのだそうです。またWISHチームはアフリカのみならず、アジアや南米のイネ品種改良も進めているとのことです。
5月23日
本日は、中央図書館3階に新たにオープンしたNEOREX Pods(ネオレックス?ポッズ)の開設記念式典がありました。ネオレックス株式会社の駒井CEOに出席いただき、私にとっては昨日に続いてのテープカットです。マスコミ関係者も、複数来られていました。
ネーミングライツ事業で、学生らがワークショップや打ち合わせなどに使える5つの部屋が、NEOREX Podsという名称で再出発しました。各々ガラス張りで外からは見えるのですが音が漏れないようになっていて、活発な議論ができるスペースとなっています。
ネオレックスには、これが本学に対する2つ目のネーミングライツ事業参画となります。一件目は、2020年に理学部南館坂田平田ホール前の多目的ホール?セミナー室をNEOREX PLACEと命名していただきました。それ以外にも、私がコーディネーターをつとめていた博士課程教育リーディングプログラム「PhDプロフェッショナル登龍門」において「社会人メンター」という取り組みに参加いただいて毎年学生のメンターを引き受けてもらったり、理学部へIT図書の寄贈をいただくなど、駒井CEO並びにネオレックスには本当にお世話になってきました。また、このネオレックス、なんと50数名の社員のうち14名、四人に一人は名大卒/修了ということで、今後もさらに多くの卒業生?修了生がお世話になりそうです。今回も経済学部の卒業生が一名、同行してきていました。4年前に卒業とのことですが、この短い間に北部生協が変わっていたことなどに、びっくりしていました。
5月22日
本日は朝に、吹上ホールでの「次世代ものづくり基盤技術産業展TECH Biz EXPO 2024」というイベントの開会式に行ってきました。河村名古屋市長が会長をつとめる名古屋国際見本市委員会が主催して行なっているイベントで、今回が13回目となります。河村市長らとともにテープカットをしてきました。左利きの私にとってテープカットは難題で、慣れない右手でやって切れなかった苦い記憶もあります。今回は大丈夫でした。
「脱炭素ビジネスに、いまこそ挑戦!」をコンセプトに開催された今年ですが、炭素繊維複合材料の社会実装を目指している名古屋大学ナショナルコンポジットセンターも出展をしており、そこの研究員の方に一緒に出展している協力企業(コンポジットハイウェイコンソーシアム)の方々をご紹介いただきました。例えば、リサイクルした炭素素材をプラスチックに加えて強度を増した材料を開発したり、3Dプリンタに炭素素材を加えて剛性の高い3Dコピーを作ったりするような企業さんたちで、みなさんとても意欲的な方々ばかりでした。
5月21日
本日は、ハルビン工業大学の熊四皓(ション?スーハオ)校務委員会主任ら訪問団の表敬訪問を受けました。
中国東北部にあるハルビン工業大学は、約100年前に創立された工業系の大学ですが、山東省と広東省深圳にもキャンパスを持っていて5万人ほどの学生数を誇る大学です。これまで名古屋大学とは2000年の工学部による部局間協定からスタートして、さくらサイエンスプログラムなどでの学生受け入れなど交流の実績があります。先方は、名古屋大学とのさらなる学生交流、研究プロジェクトの共同提案などを希望されての来訪です。まずは学生交流をもっとやっていこう、ということで合意しました。例えば、昨年12月に本学を訪問した大連理工大学とは、先方のサマースクールに31名の学生が本学から参加したという実績があります。どうやら学生には中国での研修は人気のようです。ハルビン工業大学にもサマープログラムがあるということですので、その辺りを手掛かりに交流実績を積んでいけたらと考えています。
ところで、校務委員会主任というポジションですが、大学の評議会のトップという位置付けで、学長は別にいて、熊四皓主任は大学と政府とつなぐ重要な役割を担っていらっしゃるようです。数日前に訪中したロシアのプーチン大統領がハルビン工業大学を訪問したのですが、その際の熊四皓委員長とのツーショットが大きく報道されています。
しかし今回の表敬訪問で何よりも驚かされたのは、一緒に対応いただいた環境学の西澤泰彦教授が見事な中国語でお話しされていたことです。清華大学に留学経験がありハルビン工業大学も何度も訪問したことがあるとのこと、なんと熊四皓主任とは清華大学の同窓生でした。
5月18日
本日は土曜日ですが、名古屋大学全学同窓会関西支部の総会に行ってきました。場所は大阪駅から徒歩10分ほどの中央電気倶楽部、裏通りに突然現れる昭和初期のレンガ仕立ての建物には少しびっくりさせられました。
総会は、まず環境学研究科の渡邉誠一郎教授によるはやぶさ2ミッションに関する学術講演からスタートしました。小惑星リュウグウからサンプルを採取して戻ってくるミッションが大成功をおさめたのは、みなさんご存知のことと思います。非常に面白く聞かせてもらいました。今回の資料の分析から、リュウグウはもともと木星よりも遠くにあったのが、木星ら巨大惑星の重力の影響でとばされて地球近くまでやってきたことがわかるのだそうです。太陽系の形成の歴史に重要な知見が得られました。
その後、私が45分いただき、名古屋大学の最近の動きなどについてご報告いたしました。コロナ禍のため5年ぶりの開催ですので、建物などを含めこの間随分と変わっています。びっくりされたかもしれません。
最後には、みなさんお待ちかねの懇親会で締めくくりです。第八高等学校卒業生で94歳の大先輩から、30代ぐらいの比較的若手まで、学部ごと?年代ごとに交流を深めていらっしゃいました。大企業に勤められている方?定年された方、小さな会社を大きくしていった方、病院の経営者、さらには弁護士の方など多士済済の顔ぶれでした。そんな中、私が以前やっていた博士課程教育リーディングプログラム「PhDプロフェッショナル登龍門」に発足前から関わっていただいた若手教員の方に久しぶりお会いできたことは、個人的にはとても嬉しい出来事でした。医学の研究者で、今は京大のIPS細胞研究所で准教授をしている方なのですが、大きな研究成果を期待しています。
5月16日②
タイ国大使が帰られた後は、本年4月1日に発足したデジタル人文社会科学研究推進センターについて記者会見を行いました。場所は、豊田講堂の脇にある広報プラザになります。
本センターは、「デジタルデータを活用するデータ駆動型のデジタル人文社会科学研究を戦略的かつ組織的に推進し、領域横断的な新領域を開拓することで人社系の研究振興を図るとともに、人社系主導で新たな総合知を創出し、テクノロジー主体のアプローチでは解決が難しい社会課題の解決に貢献する」ことを目的に設立されました。人文学だけ、社会学だけでなく両者をまとめて、データを活用するところがユニークなセンターとなります。
記者発表では、センター長の佐久間副総長によるセンターの紹介に続いて、専任?兼任の5人の教員がどのような研究を行っていくのか報告しました。たとえば、ギリシャ哲学など西洋古典の原典をチャットGPTに読み込ませて、内容に関する検索などを可能にするような試みが話され、非常に興味深いものでした。このセンターからこれまでにない新しい成果がどんどんと生まれてくることを期待しています。
5月16日①
本日は、昼の時間帯にタイ王国のウェチャーチーワ大使とご夫人、また参事官の皆さんの表敬訪問を受けました。また、駐名古屋タイ王国名誉副領事の森下さんにも立ち会っていただきました。森下さんは昨年5月19日にタイ王国最高裁判所長官が来られた際にも同行されています。
大使は2月に着任されたばかりで、天皇陛下に対する信任状捧呈をまだ行っていないからだと思うのですが正式には次期大使という扱いになっています。もちろん、実質的にはしっかりと業務をスタートされています。大学との連携、学生交流などを進めたいということでいらっしゃったのですが、私の名大の紹介の中で年間の予算プロファイルを示したところ、産学連携の部分をどのように稼いでいるのか、共同研究の具体的なやり方など、鋭い質問をいくつかいただきました。タイの大学と農学、工学がやっているジョイント?ディグリー?プログラムなどについても担当の先生方にご報告いただいたのですが、大変興味深く聞いていらっしゃいました。
ランチもご一緒しましたが、私の専門が宇宙論ということを話すと、この分野が大好きでYouTubeなどで勉強しているとのことで、超紐理論や宇宙の観測などかなり突っ込んだ質問をされたのにはびっくりでした。
最後に本学に留学しているタイ人学生12人との懇談を持った後、名大を後にされました。懇談の最後に私から学生に、どうしたら名古屋大学を目指すタイ人を増やすことができるか聞いたところ、もっと奨学金が必要、本学はバンコクに事務所はあるがどうしても一部にしか宣伝が行き届いていない、高校と連携してはどうか、現在議会で働いているがそこのチャンネルで宣伝することもできる、など様々な有益な意見をいただきました。また大使からも、大使館を通じて宣伝できる、との言葉もいただいていますので、もっと頑張って留学生を増やしていきたいと思います。
5月14日
本日は、マシュー?センザー在名古屋米国主席領事が3年の任期を終え離日するということで、お別れの会がありました。出席者は、大学の学長や地元の日米協会の会長さんら、センザーさんと縁のある9名ほどでした。
センザーさんは、大学時代はアフリカの歴史を学ばれてフルブライト奨学生としてケニアに留学経験があり、その後は大学で歴史を教えていた研究者でした。しかし、近現代史を研究するうちに、実際に政治?外交に携わりたいということで外交官になったとのことです。
外交官としてはアジアをこれまで担当、赴任した先々で現地の言葉を勉強されてものにしてこられました。今回のお別れの会も、日本語で見事な挨拶をされ、また我々との会話もできるかぎり日本語を使われるという徹底ぶりには感服しました。次の任地は台湾だそうで、これからは中国語を新たに勉強されるとのことですが、どうか日本語を忘れないでください。
これまでどうもありがとうございました!
5月13日
本日は夕方に、恒例のキャンパスコンサートが豊田講堂で行われました。
このコンサートは、愛知県立芸術大学と提携していて、ほぼ毎回、県芸出身の優秀な若手演奏者が登場します。同窓生の方にYAMAHAのコンサートグランドピアノを寄付いただいたことが契機となっていることから、必ずピアニストには登場いただいています。
本学としては、学生や教職員、OB?OGの方々、さらに広く市民に芸術に触れる機会を提供でき、一方で県芸の若手演奏奏者には多くの聴衆の前で演奏する機会が持てるというwin-winの企画になっています。
今回は、女性?男性それぞれ1名ずつのピアノ演奏でしたが、毎回本当にしっかりと準備をされ、また有名な曲ばかりでなく、なかなか聴く機会のない隠れた名曲?難曲を披露いただきました。お二人とも素晴らしいテクニックに支えられた誠実で素晴らしい演奏ぶりだったと感じました。ありがとうございます。
なお、今回で10周年ということもあったのでしょうか、仕掛け人の一人である法学部OBの鮎京先生や愛知県立芸術大学の白河学長もいらしてくださいました。まだまだ続けていきたいと思っています。教職員や学生の皆さん、こちら無料ですので、まだ来たことのない方、是非とも一度いらしてください。
5月10日
本日は、この4月から新たに名誉教授になられた方々への名誉教授称号授与式と、引き続いての懇親会が昼にありました。懇親会の方はこれまでの名誉教授の方々も参加され、大学執行部を含め100名以上の参加者で賑やかに行うことができました。コロナ禍のため5年ぶりの開催となります。
新たな名誉教授の皆さんは、つい先日まで学内で活躍されていらっしゃった方々ですので、むしろ改めて「この人がもう名誉教授ですか」というのが感想です。今回は37名の新名誉教授のうち、23名にご出席いただきました。少なくとも参加された皆さん全員、のんびり引きこもるのではなく、まだまだ、いや、ますますご活躍いただける方々ばかりですので、是非ともいろいろお手伝いいただこうかと考えているところです。
懇親会の方は、懐かしい先生方にたくさんお会いできました。中には、私の父親の教え子で、私が赤ん坊の頃に家を訪ねたことがある、とおっしゃる先生がいらっしゃったりして、感慨深いものがありました。
やはりこういう会は対面に限りますね。なお、昼間ですので、ノンアルコールでした、念のため。
5月9日
本日は、本学の卓越大学院TMI(ライフスタイル革命のための超域イノベーション人材養成学位プログラム)の5期生オープニングセレモニーに出席しました。これは、文理融合で移動をテーマにイノベーション人材を育成する大学院生のためのプログラムになります。
本学に4つある卓越大学院プログラムの中でも、文系を含む6研究科が参加するという特別なプログラムには、新たな5期生、また昨年のオープニング以降に参加することになった4期生も合わせて、コーディネーターの河口先生から入校証を受け取っていました。みなさん、それぞれ決意表明をされていましたが、2倍近い倍率をくぐり抜けてきただけあって、意欲的な学生ばかりでした。彼ら?彼女らダイバーシティに富んだ学生たちがどのようなケミストリーを見せてくれるのか、本当に楽しみです。
ただ、河口先生のプログラム説明が5分しか割り当てられていなくて、実際には3倍以上かかってしまったり、全体に時間設定に難があったことは反省材料です。次の予定に完全に遅れてしまいました。タイムマネジメントは大切です。
5月3日
ゴールデンウィーク後半初日、以前から見たいと思っていた映画、オッペンハイマーを名古屋駅まで見に行ってきました。
ロバート?オッペンハイマーは私の分野では、ブラックホールが星の終末段階でできることを予想した研究でよく知られています。量子力学の研究でも重要な業績があります。しかしなんと言っても第二次世界大戦中に原爆を製造のためのマンハッタンプロジェクトの責任者として、一般にもよく知られ、映画もそこに焦点が当てられていました。3時間の長い映画ですが、長さを感じさせない、さすがアカデミー賞7冠と思わせる名作です。
原爆のような兵器について、製造する科学者と使用する政府?軍、どちらに責任がありイニシアティブを取るのか、考えさせられる内容でもありました。
一方で、物理学者としては、いくつかの小ネタで楽しむこともできました。例えば、若き日に出会う科学者たちのほとんどがノーベル賞受賞者で、映画の中で一体何人出てきたのかカウントすると面白いかと思いました。アインシュタイン、パトリック?ブラケット、ニールス?ボーア、アーネスト?ローレンス、ルイス?アルバレツ、エンリコ?フェルミ、イシドール?イザーク?ラビ、ハンス?ベーテなどなど、物理学者にとってはオールスターキャストです。また少しですが、私がポスドク時代に過ごしたUCバークレーのシーンもあり、懐かしく思い出しました。バークレーの映画館で見ていたら絶対に歓声が上がるところですね。
上映が終わった後に、私の古巣のC研の学生さんも見にきていたのに気づきました。是非、若い人にも見てもらいたい映画です。