総長っていったい何をしているのか、疑問に思っている皆さんも大勢いるかと思います。ここでは、私が日々取り組んでいる仕事やその中で感じたことなどを、自由闊達に紹介していこうと思っています。
6月30日
日曜日ですが、岐阜まで行って全学同窓会岐阜支部の総会に出席してきました。
日曜日というのに、70名以上にもなりますか、大変多くの同窓生が岐阜駅前の会場に集まって旧交を温めていました。岐阜支部長は、「最期まで自宅で朗らかに暮らし、清らかに旅立てる」を提唱している小笠原内科?岐阜在宅ケアクリニック院長の小笠原文雄先生です。NHKなどマスコミに多数出演され、出版される本はベストセラーという有名人になります。
今回は、私からは名古屋大学の人づくりについて15分ほど紹介されてもらいました。挨拶や総会の後には講演会として、お二人の先生のお話があったのですが、これがなかなか面白い講演でした。最初が岐阜大学の土田浩治教授、「侵入生物の辿った道を探る」というタイトルでした。ここでの侵入生物ですが、通常思うような外来生物というよりは、日本の昆虫が外国に進出して侵略しているという内容でした。またギフチョウの遺伝子を調べて国内の個体群がどのような関係にあるのか、離れた地域がむしろ近縁であることを見出したなど、興味が尽きない話しでした。二人目の岐阜聖徳学園大学の川上紳一教授、「惑星探査と岐阜の自然」というタイトルですがこれからは中身もわからないかと思います。もともと名古屋大学の惑星科学の研究グループで惑星科学を学んだのち、地球史などと関連して縞々学というものを提唱し、現在は岐阜の山を歩いて新種の昆虫などを見つけている、というお話でした。
お二人とも、学生当時の名古屋大学の研究室について、その厳しさやユニークさに言及されていたのが印象的でした。
夕方からは交流会を行いましたが、和やかで楽しい会となりました。岐阜支部総会、来年も楽しみにしています。
6月29日
本日は土曜日ですが、2つばかりお仕事がありました。そのうち夕方からのイベントが、日本比較教育学会の第60回大会の情報交換会での歓迎の挨拶と乾杯の発声です。
場所は南部食堂だったのですが、広いスペースにたくさんの人が集まり非常に盛大に執り行われました。280名以上の出席と聞いています。日本比較教育学会は、世界の教育動向を調べ、改革に関する研究を行い、ひいては日本の教育改革に貢献をすることを目的とする学会になります。聞くところによると、もともと戦後にヨーロッパの教育研究からスタートして、アジア、そして今ではアフリカ諸国を含む日本のODAが絡んでいる国での教育システムの研究?改革に取り組んでいる会員も多いとのことでした。本学の教育発達科学研究科でインドネシアにおけるイスラム教育を研究されている服部美奈教授が現在の学会長で、その縁もあり名古屋大学に年会を誘致、本日の情報交換会となったとのことです。
なお、日本比較教育学会と名古屋大学との関わりで忘れてはならないのは、2000年代初頭に学会長を務められた故馬越徹先生の存在でしょう。馬越先生は、本学において国際開発研究科、留学生センター、高等教育研究センター等の設置に尽力された功労者として今も記憶されています。これらは一部名称は変わっていますが、全て本学の国際化と教育支援の中核として今も重要な役割を果たしています。国際的な視野のもと、高等教育の発展に戦略的に貢献するという馬越先生のお考えは、時代を先取りしたものでした。
情報交換会の会場では、国際開発研究科の山田肖子教授にアテンドしてもらって学会の役員の方たちなどにご紹介いただきました。それ以外にも、スーパー?サイエンス?ハイスクールでご一緒した半田高校の元校長先生や、本学の事務職員などの姿もあり、意外な出会いに少しびっくりしました。そういえば服部先生は半田の出身ということで、地酒や復刻地ビールやウイスキー「知多」などが提供されていました。
6月28日
本日は、午前中に科学技術交流財団の定時評議員会がありました。場所は、ジブリパークの程近く、あいち産業科学技術総合センターでした。
科学技術交流財団は、愛知県と産業界、大学が連携して、この地域での科学技術に関する活動を支援?推進する団体で、会長は名古屋大学OBの内山田竹志トヨタ自動車エクゼクティブフェロー、理事長は名古屋大学元総長の濱口道成先生と、名古屋大学に非常に縁の深い財団です。
この財団、中小企業の振興も含め、大学と企業のさまざまな連携を支援してくださり、また、あいちシンクロトロン光センターも運用しています。今回は、事業報告、決算報告の承認など通常の議案の審議でした。なお、私が議長を務めたので、ベトナム帰りの疲れも抜けぬ中、さらに疲れました。あいちシンクロトロン光センターの運営も利用率8割を超えて順調とのことでしたが、電気代等の値上がりから今年度から利用料が20%ほど値上げとなったのは、諸物価高騰の中仕方ないとはいえ、大学としては痛手です。
名大に帰った後は午後すぐに東海国立大学機構の経営協議会にオンラインで参加、なかなかハードな一日でした。
6月27日
本日まず朝一に健康診断を豊田講堂で受けました。いつも通りのメニューをこなしましたが、今回は裸眼で視力を測ったら、近視のはずが右が0.9、左が1.2、勘が良かったのでしょうか。
健康診断の後、一つ打ち合わせを挟んで、中京大学へ移動、名古屋6大学の学生企画、「名古屋6大学魅力創出プロジェクト」の発表会に出席してきました。
名古屋大学、名古屋工業大学、名古屋市立大学、名城大学、南山大学、中京大学の6大学から学生1名ずつが参加して、半年をかけて20回以上のミーティングを実施、6大学の魅力をどのように伝えるか、という提案書をまとめてくれました。それを6大学の学長が一同に会して、講評をするというイベントになります。
提案の中身は、学生のアンケートに基づいて学生の希望?不満を洗い出し、それに基づいて、1)プロジェクト?ベース?ラーニングの形で6大学の学生が集まって行う新たな学びの機会を作る、2)名市大が実施しているチューター制度(オリター制度)を拡大し学生のキャリアサポートに繋げる、3)各大学に、学長や教職員を巻き込んで学生主体の魅力推進部を作る、というものでした。これらの提案に対して、各学長からは比較的辛口のコメントもありましたが、まずは学生の頑張りを讃えたいと思います。6大学が集まることで、足し算で6になるのではなく、相乗効果で10にも100にもなる、そのような取り組みが進められていくと良いなと思っています。
6月26日
本日は帰国後、少し自宅で休んだ後に出勤していくつか仕事をこなしました。
夕方最後は、名古屋大学出版会の定時評議員会にオンラインで出席しました。名古屋大学出版会は、非常に質の高い学術書を出版することで有名で、その出版物は数多くの賞に輝いています。ただ、名称から勘違いしやすいのですが、名古屋大学が持っている名古屋大学のための出版会、というわけではなく、近隣の南山大学や愛知県立大学なども含めた名古屋の大学をカバーする出版会、という位置付けとのことです。とはいえ、出版会そのものは名古屋大学の敷地内にあります。
評議会では、この一年の事業報告書や決算報告書の承認以外に、この1年間の出版実績や受賞状況などについて報告がありました。31の新刊、20件の受賞とさすがの実績です。また、一部評議員や理事の変更があり、そちらもお認めしたのですが、退任される皆さま、本当にこれまでありがとうございました。
6月25日④
ランチをハノイ法科大学の隣の中華料理のお店でいただいた後は、いよいよ今回訪問のメイン?イベント、日本法教育研究センター?ベトナムの修了式です。
開始前にちょっとしたトラブルがありました。村上CALEセンター長、松尾CJLセンター長と三人で会場とおぼしきホールで待っていたのですが、時間が近づいてきても誰も来ず、ベトナムだからみなさん遅れているのではという根拠のない安心感で待っていたのですが、結局ギリギリになって私たちが間違った会場にいることが判明、慌てて移動してなんとか事なきを得ました。もうみなさん集合していて、ギリギリ伊藤大使の到着前だったのでセーフだったと信じています。
さて、修了式には8名の修了生が対面で出席、2名は名古屋経済大学に留学中ということで名大の教室からオンライン参加でした。来賓には、ランチをご一緒したハノイ法科大学のチュー?マン?フン理事長、また午前中に表敬訪問した伊藤大使にご参加いただきました。また、現地企業、日本の法律事務所の現地法人、JICAなどさまざまな関係者にもご列席いただき、大変盛大な式となりました。全員に修了証を渡した後、大使に祝辞をいただき、修了生には思い出に残る式になったと思います。私からの祝辞の中には、森嶌先生のご逝去の話を盛り込ませていただき、黙祷をみなさんにお願いしました。式の後半は、修了生代表の言葉や在校生代表の言葉、またスライド上映や在校生の歌など賑やかに進みました。
修了式の後には、場所を移して修了生や在校生と30分ほど懇談をする時間を持ちました。修了生はみなさんそれぞれの道に進みますが、4名が名古屋大学の大学院に進学ということで10月には会えるのを楽しみにしています。なお、修了生も在校生もとにかく女性比率がものすごく高く、日本の法学部との違いを感じさせられました。女性が多い理由、あまりはっきりはしないようですが、IT系などと違って直接的に高給の職に就けるわけではないからでは、とのことでした。
夕食は司法省主催で、旧知の名古屋大学の修了生であるダン?ホアン?オアイン副大臣が駆けつけて下さって楽しい時間を過ごすことができました。夕食後はそのまま空港まで移動、深夜便で中部国際空港に向けて帰国の途につきました。
6月25日③
ハノイ法科大学の後は、車で司法省まで移動です。司法省では、レ?タイン?ロン副首相と面談しました。本学で学位を取られたロン副首相は、これまで司法大臣を務められていて、この6月から副首相に昇格されたとのこと、少しの間は司法大臣も兼任のようです。
国会での審議を終えて戻って来られたロン副首相、お忙しい中ですが約30分しっかり懇談させていただきました。
こちらからは何はさておき、副首相就任のお祝いを申し上げました。司法だけでなく、教育や医療健康なども管轄のようで、本当に大役です。名古屋大学として同窓生の活躍、誇りに思うとお伝えしました。また、森嶌先生のご逝去についてお伝えしたのですが、当然知っておられて、司法省として葬儀に弔問させてもらいたく手配をしたが、ご家族の希望で叶わなかったとおっしゃっていました。ロン副首相、森嶌先生には本当に感謝していらっしゃったのが印象に残っています。またロン副首相には、ベトナムのCJLの活動についても改めてご説明しておきました。
ロン副首相、当初秋には名大を訪問するご予定だったのですが、今回の副首相就任でどうなるかわかりません。是非、機会を見つけて母校に来ていただければと思っています。これからのますますのご活躍、祈っています。
なお写真の懇談させていただいた部屋ですが、私とロン副首相の間に花が飾られて黄金色に輝いているのはホーチミンの胸像です。今回、ホーチミンの黄金色に輝く胸像、至る所で見かけました。
集合写真、私の隣がロン副首相、その隣がキエン学長になります。
6月25日②
大使館の後は、CJLが設置されているハノイ法科大学へ移動、ドアン?チュン?キエン学長らを表敬訪問いたしました。
懇談では、先方からは大学の紹介と両大学のこれまでの交流について言及がありました。紹介していただいた出席者の中に2名、名古屋大学の学位を取得した人がいるのは嬉しい驚きでした。また、法律系単科大学に関わらず学生総数は名大を少し凌ぐ17000人ほどとのこと、少しびっくりしました。
こちらからは、名大の紹介とともに、ハノイ法科大学からの提案に基づき、2023年にベトナム司法省からの表彰をCALEが受けたことへの感謝を伝え、これからのますますの連携の進展について希望を述べておきました。
6月25日①
ホテルで朝食を取った後、まずは日本大使館まで移動です。徒歩でもすぐの距離ですが、その後もありますので、車での移動となりました。今回のベトナム訪問は、CALE(法政国際教育協力研究センター)の村上正子センター長、CJL(日本法教育研究センター)の松尾陽センター長と常に一緒に行動しました。合わせて、ベトナム名古屋大学事務所長でハノイ法科大学国際部次長のファン?ティ?ランフォン先生、ベトナムのCJLセンターのド?ティテゥ?フーン特任講師にもお付き合いいただきました。ド特任講師は、私が以前コーディネータを務めていたリーディング大学院プログラム「PhDプロフェッショナル登龍門」の履修生だった人で、久しぶりに元気な姿が見られてよかったです。
日本大使館では、つい最近赴任された伊藤直樹大使にお会いして、名古屋大学のベトナムでの活動、特に法学関係のCALEとCJLについて説明を差し上げました。1990年台に始まった名古屋大学法学部のアジア諸国における法整備支援事業の司令塔が2002年に発足したCALE、現地の大学で日本語で日本の法律を学ぶコースを2005年から提供しているのがCJLになります。ベトナムのCJLは、ウズベキスタン、モンゴルに次いで、2007年に開設されました。
これまでの修了生の活躍などを合わせてご説明した後、JICAからの支援のあり方などについても議論いたしました。村上先生などは、現在の修士学生だけでなく、大学院修了後の研究員への支援が必要と、力説されていました。
大使と一緒の写真をアップしておきます。左から松尾先生、村上先生、伊藤大使、私、ラン?フォン先生、ド先生になります。
6月24日
本日からベトナム出張です。ハノイ法科大学にある日本法教育センターでのプログラムの修了式に出席することが主な目的になります。
午前中、運営会議など定例の会議をこなして、昼から名古屋駅へ移動、品川経由で羽田空港へと向かいました。夕方の便でハノイまで直行です。
セキュリティでちょっとしたミス発生。アップルウォッチを外したのですが、うっかり忘れてそのままカゴに入れっぱなしにしてしまいました。少ししてから気づいたのですが、出てこなくて諦めかけたところで、アイフォンを使えばウォッチを探せることに気づきました。GPSで場所を特定、音を鳴らしたところ無事見つかりました。
ハノイ空港まではそれ以外はトラブルもなくスムーズに到着、あまり早く着きすぎて迎えの人たちが来ていないという一幕もありましたが、少しして無事会えて、市内のホテルまで移動して宿泊しました。明日は目がまわるぐらい忙しいので、早めに寝ました。とは言っても、時差の関係でベトナムの方が2時間遅れていますので、現地時間で11時に就寝したのですが、日本時間では1時でした。
6月23日
週末、土日は少し忙しくしていました。
土曜日は、名古屋大学のエグゼクティブ?トレーニング?プログラム、通称NExTプログラムの開講式と特別講義に出てきました。5期目となるプログラムですが、今年も14名の元気な受講生を迎えることができました。みなさんの自己紹介の後に、特別講義として、私が「見えないブラックホールを捕まえる」というタイトルで話しをさせていただきました。ブラックホールは光さえも吸い込むので、それ自身は光らないのですが、現在は様々な方法で、その存在が確認されています。そんな内容での講義だったのですが、さすがNExTプログラム、講義後の質問では、宇宙ビジネスにどう絡めることができるのか、などを聞かれました。いつもながら、自分の研究の役に立たなさ加減を説明する羽目になってしまいました。
出席していた副総長の皆さんからは、「いつもと違ってすごく楽しそうに話していた」と冷やかされました。宇宙が好きだから研究をしています。それが伝わったのはよかったけど、いつもは楽しそうでないのは問題ですね。
日曜日は、職員組合の退職者総会で、名古屋大学の現状と今後の挑戦について1時間ほどお話をしてきました。出席者は30名ほどでしょうか、ちらほら懐かしいお顔も拝見し、質問もいくつか出ましたが、みなさん笑顔で和やかな会でした。金曜日から梅雨入りしたとのこと、ぐずついた天気の1日でした。最後、夜はかなり雨足が強い中の帰宅になりました。明日からはベトナム出張です。
6月21日
本日は、岐阜県大垣市にあるイビデン株式会社の河島浩二社長らにお会いしました。
東海国立大学機構の低温プラズマ総合科学研究拠点設立1周年を記念して行われた式典で、河島社長に講演をお願いした関係で、その前に機構長も交えて懇談をさせていただきました。イビデンは、半導体の中でも出来上がったチップと外部の接続を担うICパッケージのトップメーカーとして知られます。半導体の今後のお話しなど、興味ある話題満載の懇談でした。また、半導体とは全く別に、系列会社ではこんにゃくなどを用いた植物由来の「エビ」を製造していることなどを教えてもらって、イビデンの多角経営の広がりに驚かされました。
河島社長の講演の時間、ちょうど毎年引き受けている高校生向けのオンライン講演を行っていたため、参加することができなかったのは残念でした。こちら、宇宙の話しをたっぷり1時間半、山梨県立韮崎高校の生徒さん向けにさせてもらいました。韮崎高校といえばサッカーで有名ですが、進学校としても知られていて名古屋大学にも来てくれています。
6月20日
本日は、近隣の二つの大学の方の訪問を受けました。
まず、中部大学の福井副学長、古澤准教授からはESD(持続可能な開発のための教育)に関する中部地域の拠点協議会総会についてなどの打ち合わせです。私は愛知県の学長の集まりである愛知学長懇話会の関係で、こちらの協議会の共同代表を務めていて、福井副学長はその代表、また、古澤先生は学長懇話会でのSDGsの委員会でお世話になっている方です。
その後は、愛知県立芸術大学の白河学長がいらっしゃいました。この4月から学長になられた油絵がご専門の方で、若くて元気な学長さんでした。年2回豊田講堂で行っているキャンパスコンサートでは、愛知県立芸術大学の学生さん、OB/OGの方に大変お世話になっています。芸術系の学部?学科のない名古屋大学ですので、是非もっと連携を、というお話をさせていただきました。なんでも名工大が木下前学長のアートフルキャンパス構想に基づいて愛知県立芸術大学と強力に連携していて、卒業生の制作なども買い入れているそうです。本学もコモネなどアートを導入したいスペースができることなど、ご説明しておきました。
6月18日
本日は、ノースカロライナ州の高校生の表敬訪問を受けました。
ノースカロライナ州の優秀な高校生10名(男女比は3:7)を、ノースカロライナ大学チャペルヒル校の先生が引率して、一週間ほどの予定で名古屋の文化や科学技術、また名古屋大学を見学するというツアーです。予算はNorth Carolina International Science Challengeというプログラムによるアメリカ側持ちでの実施となります。
2名ほど遅れて到着、ということで今朝会ったのは8名の高校生でした。皆さん理系の生徒で、すでに秋からいく大学も決まっています。地元のノースカロライナ大学チャペルヒル校やノースカロライナ州立大に進学する生徒もいましたが、ペンシルベニア大学やMITといった全米屈指の大学に進学する生徒もいたのには驚かされました。もっと驚いたのは、すでに全員、何らかのサイエンスのプロジェクトをやっていたことです。例えば海面が油で汚染された時に効率よくそれを除去するスポンジの研究など、社会課題に応えるような研究ばかりでした。こんなに優秀なのに、今さら大学に入ってリベラルアーツなどを学んでどうするのか引率の先生に聞いたところ、彼女ら?彼らのような優秀な学生は2年で大学を卒業して、メディカル?スクール(医学部、大学院相当)に行く、との答えでした。確かに、将来の進路の希望、医学関係が多かったです。
トップスクールから来た生徒さんたちということで、同じ学校の子達が多く、また、ルーツもインド系か中国系がほとんどだったのが、今のアメリカを象徴するように思いました。
日本?名古屋に来た理由を聞いたのですが、子供の頃、ポケモンの大ファンで日本に来たかった、というのは予想通りで大変頷けましたが、たこ焼きが美味しかったので日本に来た、という答えには少し笑わされました。おすすめの料理は、というので名古屋飯をいくつか教えておきました。
6月13日
最近訃報が相次ぎました。
4日には、森嶌昭夫先生がお亡くなりになったというニュースに接しました。本学名誉教授で、四日市公害訴訟で原告団に助言するなど民法、環境法の専門家としてご活躍されるとともに、名古屋大学がアジア各国に展開する法整備支援の礎を築いた方として記憶されます。一昨年秋のCALE(法政国際教育協力研究センター)20周年記念式典にはご出席され、お話をする機会を得ることもできました。享年八十九歳とのこと、ご冥福をお祈りします。
12日には、建築家で本学名誉博士、槇文彦先生の逝去のニュースがマスコミ各社で大きく取り上げられました。建築のノーベル賞と言われるプリツカー賞を受賞された大家ですが、名古屋大学にとっては、なんといっても豊田講堂の設計者として知られています。若き俊英、槇先生にとって、日本国内で初めて設計したのが豊田講堂とのことです。名古屋大学のシンボルとして知らない人がいない建造物となった豊田講堂、槇先生、ありがとうございました。ご冥福をお祈りします。
6月12日
本日は、東京出張でした。
午前中は、三菱UFJ国際財団の評議会に出席、場所は東京駅すぐの三菱商事の中にある三菱クラブでした。旧東海銀行で行なっていた国際プログラムの関係もあって、名大総長に声がかかっているようです。
一般の団体や学生団体の国際交流への支援、アジアの現地大学生への奨学金支給など普段あまり知らなかった地道な活動を知ることができました。その中には、名古屋大学のアジアサテライトキャンパス学院の学生さんが、名大に来てチュートリアルを受けるための援助も含まれています。
地政学的な問題もあり、国際交流が難しくなっている時代ですが、このような活動が続いていくことを望みます。
午後からは、竹橋の学士会館に場所を移して、国立大学協会(国大協)の総会に出席してきました。天気が良かったので、東京駅から歩きました。少し暑かったですが、20分程度のちょうど良い散歩でした。
国大協では、最近出した声明などの話題についても少し話しがありました。「もう限界です」のフレーズが印象的です。懇親会まで出てきたので、帰りはだいぶ遅くなりました。学長さんたちの本音を知ることができました。会の合間には、朝日新聞から学費値上げについてのコメントを求められました。学内では検討はしていない旨お答えしました。
6月10日
本日は、農学部が海外2大学とともに3大学共同で行なっている研修プログラムの打ち上げに行ってきました。
海外2大学は、タイのカセサート大学とカンボジアの王立農業大学です。学部学生がお互いの大学を訪問して研修を受ける、というプログラムで、昨年に続いての参加です。昨年は修了式にお邪魔したのですが、今回は、学内のレストラン「花の木」で行なった食事付きの交流会への参加です。
研修が全て終わった後なのでリラックスした雰囲気で、学生さんたちが中心となった楽しい会でした。とても女子学生比率が高いのに驚かされました。農学部は、ほぼ男女比が同じなのですが、このようなプログラムに積極的に参加する学生には女性が多いということなのだと思います。ちなみに、学生さんたちに総長って一体普段何をしているのかと聞かれたので、このブログを紹介しておきました。
会の途中では、名大の学生からは折り紙のレクチャー、タイの学生は現地の椅子取りゲームとその罰ゲームの早口言葉、カンボジアの学生はダンスと、こちらも「ロンドン橋落ちた」に似たゲームで学生全員参加するなど、楽しい時間を過ごしていました。
秋には、名大の学生が今度はタイかカンボジアに研修で訪問するそうです。充実した時間が過ごせることと思います。
6月8日
木曜日からスタートした名大祭ですが、本日朝、学術講演会で45分ほど話してきました。
宣伝のためにあらかじめ名大祭のマスコットふりゃあと一緒に写真をとったりした甲斐があったのでしょうか、IB情報館の大きなスペース、思ったよりも埋まっていました。
小学生の顔もそれなりに見えたので、中身について、できるだけわかりやすく、と思って話していたら、完全に時間が足りなくなってしまいました。一応話しはそこまでで完結していたのですが、半分しか話せなかったのは反省です。講演終了後は、再びふりゃあとの記念撮影、みなさん携帯で写真を撮ってらっしゃいました。
なお、午後からは、中日文化センターで毎月のシリーズとして秋まで9回実施予定の、「名古屋大学総長がナビゲートする科学最前線「知の地平線 未来への挑戦」」に行ってきました。今回は、国立天文台の本間希樹教授によるブラックホールの話を1時間、そして私との対談を45分、という構成で実施しました。本間さんはブラックホールの影を撮影したという国際チームの日本代表として有名になった方ですが、昔からよく知っている方です。
土曜日の講演会の梯子、さすがに疲れました。
6月7日③
愛知学長懇話会終了後は、京都へ移動、村田学術振興?教育財団の評議員会?理事会に出席してきました。
村田学術振興?教育財団は、京都の村田製作所の株の運用益をもとに、エレクトロニクスを中心とした学術研究、国際交流に対する助成、そして近年では高校?高専でのSTEAM教育、ものづくり教育などに助成を行っています。ここのところ株式の配当が好調とのことで、助成金の総額も増額という景気の良い話でした。
今回、少し残念だったのは名古屋大学からの助成金への応募件数が少なかったことです。例えば研究助成ですが、東大、大阪大、東北大からは30件を超える応募があったのに、本学からは16件しかありませんでした。倍率は3倍ほどにもなるそうなのですが(科研費とあまり変わりませんね)、是非とも本学からも多くの応募を期待しています。文系も一部応募可能です。
今回の評議会は、京都駅のホテルで行われたのですが、京都、来るたびに観光客が溢れていて、古都の風情をゆっくり楽しむことなど到底できなくなっていることを感じます。オーバー?ツーリズム、本当に問題ですね。
6月7日②
T-GExの外部評価が終わったらすぐに、愛知学長懇話会をオンラインで実施しました。
愛知県の大学の学長がほとんど全て加わっている懇話会ですが、今回は委員会からの報告や事業報告?決算、事業計画?予算など通常の事項を比較的粛々と進める会となりました。
その中で、2026年のアジア競技大会?アジアパラ競技大会については、本会の専門委員会からの報告以外に、大会組織委員会から学生ボランティアの要請があり、愛知学長懇話会としても専門委員会を通して取りまとめていくこととなりました。
1時間半という制約があり、最後の懇談事項、今回は図書館におけるオープンアクセス支援及び機関リポジトリ運用についてでしたが、十分に時間が割くことができなかったのが残念です。司会として反省です。
さて次回は、1月に対面で行います。知事と市長も出席予定です。また知事と市長に挟まれる席次になりそうです。
6月7日①
本日は3つのイベントがあって、かなり忙しい一日でした。
まず、午前中から昼にかけて、世界で活躍できる研究者を育成するために本学が文部科学省から補助金をいただいて実施している「世界的課題を解決する知の『開拓者』育成事業」、通称T-GExの外部評価委員会がNIC館でありました。
外部評価は、プログラムが自主的に実施しているもので、外部からの忌憚のないご意見をいただきプログラムの改善に繋げたい、という目的で行うものです。委員には海外からオックスフォード大学のロジャー?グッドマン先生、台湾中央研究所のイー?ファン?ツァイ先生などにも加わっていただき、プログラムの進捗状況を武田宏子プログラムマネージャー(法学研究科教授)から説明、また実際に支援を受けているフェローとのオンライン面談を実施、しっかりと見ていただけたと思います。委員会からはプログラムの裾野を広げる必要があるのではないかなどの重要な指摘をいただきましたので、今後の改善に生かしていきたいと思っています。
ちなみにグッドマン先生には、前日にシンポジウムでオックスフォード大学の改革について示唆に富むトークをいただきました。日本研究をご専門とする先生ですが、名古屋大学としてもこの縁を大切にしたいと思っています。
6月5日
本日は昼前から東京に出張してきました。日帰りになります。
最初の目的地は、麻布にあるシンガポール大使館です。シンガポール大使主催のレセブションへの出席ですが、シンガポール国立大学(NUS)のグローバル体験コース(GEx)東京プログラムに参加中の学生25名ほどを招待し、そのプログラムを手伝っている関係者も合わせて招待したという催しでした。
東京プログラム、という名称になっていますが、全体が1か月ほどの中、名古屋?愛知での10日間の滞在も含まれています。本学では、シンガポールオフィスが窓口となり文化体験や美浜町で行ったサービスラーニングなどをお手伝いしました。窓口として大活躍したのが、本学GMC推進機構の今泉寛教授です。シンガポール在住なのですが、今回のイベントに合わせて帰国され、当然シンガポール大使館にも同行してもらいました。
さて、プログラムの中で、サービスラーニングが美浜町で行われたことについては、少し説明が必要かもしれません。美浜町は、幕末に山本音吉という人がシンガポールに定住した縁から、シンガポールとの交流が非常に盛んとのことだそうです。音吉は漂流民としてアメリカ西海岸に漂着、先住民に救助されイギリス資本の会社に引き取られロンドン、マカオへと移動、聖書の和訳にも協力、鎖国の中帰国ができないでいたのですが、日英和新条約の締結の際に通訳として来日、その後シンガポールに定住してそこで亡くなるという波瀾万丈の人生を送った人です。有名なジョン万次郎よりも前にアメリカに着いています。すごい人がいたものです。
今回のレセプションにも、美浜町から八谷充則町長、美浜町が選挙区に含まれている伊藤忠彦衆議委員議員など関係者が何人かいらっしゃっていました。こちらのグループ、別途大使との面談もセットされており、シンガポール側として美浜町を非常に大切にしていることが伺われました。
さて、今回オン大使に知己を得ましたので、是非とも名古屋大学を訪問いただくように要請させていただきました。ちなみに大使は、日本に留学して、東工大で電子工学を学んだそうです。
シンガポール大使館の後は、経産省まで移動して、本学、また東海国立大学機構のスタートアップについて説明させていただきました。経産省としてもさまざまなプログラムを用意しているとのことですので、是非とも情報共有をして支援に結びつけていきたいと思っています。
日帰りでしたが、盛り沢山で大変な東京出張でした。ちなみに、急ぎだったので名大からタクシーで高速を使って名駅まで行ったのですが、ドライバーが働き始めてまだ一週間、高速に乗るのもタクシードライバーとしては初めてという方でした。道もわかっていなくて、四谷で高速に乗ってすぐに無理な車線変更でヒヤリとさせられる場面もあり、その後は到着までずっとナビをする羽目になったのも出張で疲れた一因かもしれません。
6月4日
本日は、東海地域での電波の日?情報通信月間記念式典が名古屋観光ホテルで執り行われました。
「電波の日」は1950年の6月1日に電波に関する法律が施行されたことを記念して設けられたものです。総務省と情報通信月間推進協議会が主催の記念中央式典が今年は6月3日に東京の帝国ホテルで開催されています。東海地区がその翌日ということです。この式典の目玉は、電波利用又は情報通信の発展に貢献した個人や団体を表彰することにあります。
今年度は名古屋大学にとって大変おめでたいことに、中央式典において本学の宇宙地球環境研究所草野完也教授が総務大臣表彰を受け、また、情報学研究科安田孝美教授が情報通信月間推進協議会会長表彰情報通信功績賞を受けました。こちらお二人については、本日の記念式典でもしっかりと報告されました。中央式典で表彰された東海地域の個人は今回はお二人だけです。草野先生、安田先生おめでとうございます。安田先生は、本日の式典にも出席されていました。
さて本日の表彰では、「電波の日」東海総合通信局長表彰として、本学の未来社会創造機構大山慎太郎准教授が名工大の教員と共同で表彰を受けていました。おめでとうございます。
私はこの式典に今回初めて出席したのですが、非常に格式の高い式典で驚きました。表彰者を除けば出席者としては最前列に席を用意していただいていたのですが、到着がギリギリとなって大変ヒヤヒヤしました。到着した時には、一つだけ席がポッカリと空いていました。
式典の後は懇親会があり、そこで中央式典での受賞者ということで安田先生がご挨拶をされていました。少し遠くからですが、写真を撮ったので載せておきます。
6月1日
本日は、全学同窓会遠州会支部の総会に出席するために、浜松まで行ってきました。
遠州会は全学同窓会(2002年発足)よりも長い歴史があるとのことで、後から全学同窓会に支部として入っていただいたという経緯があるそうです。
浜松は名古屋からは新幹線なのですが、ひかりは一部しか停まらず、こだまも本数が少なくて、到着が開始ギリギリになってしまい、関係者にはご心配をおかけしました。どの便で行くか言っておくべきでしたね。
関西支部と同様、コロナ禍のため5年ぶりの開催ということでしたが、60名の会員が参加され、和やかな中にも大変賑やかに行われました。今回から会長が交代ということでしたが、これまで遠州会を引っ張ってこられた南方前会長(理学研究科修了)もお元気な姿を見せてくださいました。これまでどうもありがとうございます。また、野村新会長(工学部卒)、これからどうかよろしくお願いします。
会食はラウンドテーブル8卓に別れて着席で行われましたが、それぞれの卓にお邪魔して写真を撮らせてもらい、また、皆さんと少しですがお話をする時間が持てたのは良かったです。ビンゴや学生歌?寮歌の斉唱など盛りだくさんで楽しい会でした。また来年も是非ともお邪魔させていただきます。